amemolee.com diary

千葉県に移住したエンジニアが、日々の子育や趣味において、印象的だったコト、モノを紹介しながら書きます

Bank 4.0 を読んた感想をまとめました

知るきっかけは上司からの勧め

昨年9月ごろに所属部署の上司からこの本を紹介いただいたのがきっかけです。現物の本を借りてたのですが、しっかりとした作りのハードカバー版だったので、これは大事に封筒に入れて引き出しにしまい、自分用にKindle版をポチって読むことにしました。年を明けてお借りしていた本を返却してから3ヶ月ほどかけて5回ほど読み返すことができました。上司からお借りした本には付箋がついていたので、そこからおすすめポイントを確認しました。

 

こっそり付箋場所を確認

・「AMLで0.2%の成功率を実現するために、世界で500から1000億ドルを費やしている」

・「クラウドは非現実的か?」

・「銀行がアプローチを変えて」

・ 「2025から2030で何が起こるか」

 

4つの内容から汲み取れたのは、今の銀行の仕組みには無駄な部分があって、そもそもの改善方法から改める必要があり、それには10年先もクラウドが重要な技術要素となるのだな、ということでした。あとで思いましたが、この4点でだいたい全体像が汲み取れていました。

 

読んでみて理解(キーワードを拾う)

章立てで理解すると、まず将来の銀行像が書かれており、次にどのように変化すればいいか、そのための方法(スタートアップなど)が述べられ、それができない銀行は淘汰されてしまう、という流れの構成でした。ただ内容は多岐に渡り様々に散りばめられているため、細かいところまで網羅的に記憶に定着させることが難しいと感じましたが、海外の事例が多く取り上げられていたため大変新鮮に読むことができました。というわけで、読書感想文的に、どのような内容だったかを、自分のためにも、短く振り返って整理してみました。大きくは2点、個人的に興味深いアプローチがあったと思います。キーワードだけ拾ってみました。

 

ポイント1:営業店に訪れる理由、口座開設もしない未来(ネタバレ)

銀行へ足を運ぶモチベーション。銀行は相談したい空間。アフリカの銀行事情とキャッシュレス事例。アメリカの小切手事例。クレジットカード事例。これまでのお金だけのやり取りを行うバンキングから、体験型のバンキングにシフトすることの重要性。モバイルアプリで口座を開設してプラスチックカードをカードを顧客に郵送するのか。おばあさんと銀行の頭取が同じ品質で同じ利便性の金融サービスを享受できる未来。バンキングの機能の純粋形態のみが必要。

ポイント2:ディスラプションに対応できる想像力(ネタバレ)

第一原理主義に立ち返る。イーロン・マスク氏の引用。銀行をゼロから作る。ゼロベースで考える。既存にとらわれすぎない。これがBANK4.0。BBVA。クラウド、AWS、ビットコイン、AI。Bank4.0の世界で接点を持つべき技術。データは燃料である。スタートアップや新しい技術と銀行との関わり方。現行規制システムはデジタル以前の時代の前提。規制もされるが保護もされる。RegTech/SupTechでコンプライアンス要求からの解放。チャレンジャーバンクであるムーブンはコアシステムを持たない。トレロ(Trello)、ギットハブ(Github)。フィンテックも既存銀行を必要としている。CEOがデジタルである。銀行が事業変革に失敗して物理的にディスラプトされる条件。技術主導で物事を決定していくこと。銀行にプログラマーの居場所はないのか。

 

読むごとにマーカー

1回目。いよいよ読み始めたのですが、1回目はとりあえず興味のあるところにマーカーをつけることで終わってしまいました。

2回目。1回目の整理のために流し読みをしました。なんとなく全体感がわかってきたかなというレベルでの理解度でした。以下のような部分に興味が湧いていました。

3回目。年が開けて2月になっていました。数ヶ月たってあまり記憶に残っていなかったことに気づきました。興味のあるところだけをかい摘んで読んだ気になっていたようで、もう少し読んでみることにしました。このときのマーカーは青色です。1回目でマーカーをつけまくっていたため、そこまで青色のマーカーは付きませんでした。要はあまり読めてなかったところを中心に読むことができたということになります。つまり記憶はなかったが読み返すと意外と覚えていたということになります。

4回目。結局ななめ読み。3回目で青いマーカーをつけたところをななめ読みしてみました。あいかわらず記憶は定着していませんでしたし、全体として言いたいことを網羅的に理解はできていませんでした。念の為、気になったところを理解するために、4回目ではピンク色のマーカー、5回目ではオレンジ色のマーカーをつけました。結果としてこれ以上、マーカーの色は増えませんでした。マーカーをつけすぎてマーカーできるところがなくなってしまった、とも言えるかもしれません。

 

マーカーの良かった点:

1回目、2回目、3回目、4回目で、都度マーカーを引くこと心がけていたのですが、同じところにマーカーはしないように前回のマーカー部分はそれなりに理解するため、マーカーをつけることで理解スピードも上がったように思います。

 

マーカーの悪かった点:

あとで数えたら500箇所くらいマーカーがついていて、追いかけ直すのが大変で、やたらめったらマーカー入れるのもよくないなと、しかもマーカーするのは少しカーソルを入れたりするのが面倒なので、読むスピードが落ちがちとなるため、反省材料にもなりました。

 

読み方の感想

この本を貸していただいた当初、目安として3回読むことを推奨されていたのですが、年を越し、数ヶ月たって、まだ2回しか読めていませんでした。いい加減にノルマを達成しないといけないと一念発起して、直近の2ヶ月あまりで、あと数回読むことができました。何回も読んでみることに重点を置いていたのでついつい、ななめ読みになってしまいがちだったのですが、それでも何回も読むことで、機械的に頭の中が整理されていくことに気づくことができました。

 

Kindle版では、気になったところにマーカーをひたり、付箋を張ったりするので、気になったところにすぐにジャンプできるのは大変便利でした。マーカーについては、何回か読むことを想定していたので、1回目はYellow、2回目はBlue、3回目はPink、4回目はOrange、のように、マーカーの色を変えていきました。(英語なのは当時息子がNetflixでみていたパジャマスクで赤青緑のヒーローをRed、Blue、Greenというように英語で聞いていたのでその影響を受けました。)

 

総まとめ(読み方と内容)

上司に奨められて読み始めた本でしたが、日常では業務に没頭することで、ついつい自分の触れることの多い部分にのみ気持ちが寄って行きがちなのですが、この本はバンキングビジネスの未来を占う俯瞰的な内容だったので、日々マクロな視点を常に持ち続けるために、定期的に読み直すとよい本だなと感じました。作者であるブレッド・キング氏の思いについては、この本だけでは理解できないこともあるとおもうので、他の書籍も出されているようなので、読んでみたいと思いました。さらに、Bank2.0、Bank3.0という過去に今を占った本もあるので答え合わせのためにも読んでみようと思います。日本語版あるのかな。翻訳された方もバンキングビジネスについていろいろなご意見をお持ちだと思うので関連する記事がないかネットサーフィンしてみようと思います。

 

著者のSNSやホームページや関連コンテンツなど

  • Twitter(@BrettKing)
  • ウィキペディア(Brett King (businessman))
  • 著者の立ち上げたネオバンク「Moven」※BIPROGYと提携している(2023年4月8日現在)
  • 著者運営のポッドキャスト「Breaking Banks」

 

関連書籍(名前だけ)

  • 拡張の世紀
  • Bank4.0(洋書)
  • Bank3.0(洋書)
  • Bank2.0(洋書)
  • BreakingBanks(洋書)

 

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